
― ICHIMAN Cross-Talk これからの不動産業界に求められる改革とは?専門家と考える市萬のビジョン
不動産業界に新たな風を吹き込み、働き方改革や社員育成に力を注ぐ市萬。社長の西島氏、人材教育を手掛ける三井氏、税務の専門家である谷口氏が、業界の変革や企業文化の進化について熱く語り合います。変わりゆく社会の中で、これからの市萬にとって重要なことは何か。お二人の専門的な視点を通じて、新たな施策を探ります。

税理士 谷口 盛二


株式会社市萬 代表取締役 西島 昭


株式会社clan 代表取締役 三井 弘美
取材ライター:平床麻子
世田谷区用賀在住。4児の母。ライター、モデルの傍ら、NPO法人neomuraの理事として地域活性に携わる中で市萬と出逢う。現在は広報やライティングを軸に業務をサポートしている。
西島社長
お二人には日頃からさまざまな業務で大変お世話になっています。まずはお一人ずつ、改めて自己紹介をお願いできますか?
三井さん
株式会社clanの三井と申します。弊社は人材系の会社で、社員教育と人事制度の設計、人材紹介の3本立てでやっております。西島社長とは前職の先輩からのご紹介で、5年ほどのお付き合いですね。
西島社長
そうですね。三井さんには主に採用と育成、あとは社員のフォローアップのような事もやっていただいて、市萬の社内の目と外の目、両方を持ち合わせているハイブリッドな立場で人材をサポートして頂いています。
では、谷口さんもお願い致します。
谷口さん
私は横浜の青葉区で税理士事務所をやっています。市萬さんと知り合ったきっかけは友人からの紹介で、もう10年以上のお付き合いになりますね。
西島社長
そうですね。市萬の経理・決算に関する仕事は、他の税理士事務所にお願いをしているのですが、谷口さんはその立場ではなく、お客様の税務面をサポートする専属パートナーとして携わっていただいています。
当社にはお二人のほかに、法律、建築、営業企画などの分野で「パートナー」と呼ぶ専門家がいます。彼らは社員ではないものの、市萬の理念に共感し、社員と同じ姿勢でお客様の課題解決や社内の業務を支えてくださっています。
たとえば私たちは「不動産の優良化」を掲げていますが、不動産は建物や土地だけじゃなくて、実は税金面がすごく重要で。世の中の不動産オーナーが何のために土地活用しているのかというと、税金面が入り口になっているケースも多いんですよね。それくらい不動産と税務って密接な関係なので、谷口さんにはその部分をサポートしていただき、当社のサービスレベルを大きく向上していただいているなと感謝しています。
谷口さん
こちらこそありがとうございます。

お二人の視点から見る市萬の社風とその魅力
西島社長
お二人には当社のスタッフとも交流をして頂いていますので、それぞれから見た市萬の社風について聞かせていただけますか?
三井さん
私は、不動産業界というと男性的なイメージが強いんですが、市萬さんはオフィスが明るくて女性社員も多く、とても華やかな印象があります。あとは、皆さんが自社サービスにすごく誇りを持っているのを感じますね。メーカーさんが自社製品に自信を持つのはよくありますけど、コンサルティングという無形商材に対してここまで自信やプライドを持って働く社員がいる会社は珍しくて、すごいと思います。
それから、社員さんもパートさんも関係なく、皆さんがプライドを持って仕事されているところにも市萬さんらしさを感じます。
谷口さん
皆さん、物腰が丁寧っていうイメージがありますね。会社としてのポリシーは強いんですけど、お客様にはそれを全面に押し付けない謙虚さもあるなぁって。だから、顧客からきちんと信頼を得ている感じがします。
三井さん
すごく分かります。何度か研修もやらせていただいているんですが、(他社では)大抵1割くらいはやる気のない人っているんですよ(笑)。でも、市萬の社員さんたちは最初から前のめりで、本当に真面目な方が多いんです。
西島社長
そうですか。自分の中ではそれが普通に思えていたので、なんだか新鮮です(笑)。ちなみに、同業他社との比較で言うと、どんな印象をお持ちですか?
三井さん
市萬さんは不動産業界じゃなくて、コンサル業界だなと思っているんです。不動産業界って営業中心で売り上げ重視の会社が多いんですけど、市萬さんからは、あくまでもお客様の問題を解決する・コンサルティングするという一貫したスタンスを感じます。その他にも、たとえば最終成果だけでなくプロセスや取り組み姿勢の評価をされていたり、営業以外の研修をしたり、書籍を作ったりと企画系のお仕事も多くて、その辺りの働き方がコンサル業界に近いなと感じています。

西島社長
なるほど。ただ、当社には不動産業界を変えていきたいという想いがあるので、敢えてコンサル業界ではなくて不動産業界の市萬として、次世代のモデルになるような会社を目指しています。
とはいえ、最近は不動産業界にうちのような会社も増えてきていて。たとえばマンションが買いたい時に「物件紹介しますよ」ではなくて、「なんでマンション買うんですか?」「この所得だとこんな選択もありますよ」みたいなアドバイスを求めている人はやっぱり増えているんですよね。右肩上がりの時代でもないので、中立的な立場でアドバイスを貰えるコンサルティングに期待が高まっている感触はあります。
谷口さん
僕はですね、不動産は手数料のイメージが強くて、契約を結んでお金になったら終わりというイメージが強いんですが、市萬さんは取引後のサポートも丁寧にされているので、コンサルティングに近いという話はすごく分かります。
西島社長
一般的に不動産業界ってイメージが悪いんですが、そこに勤めている人や経営者が悪い人っていうことはなくて、常に出会い頭みたいなお客様を求めるビジネスモデルが悪いのかなと思っていて。それを変えたくて会社を創業したんです。
だから、広告ではなくて紹介でお客様を集めて、そのお客さんからまた別の方を紹介してもらう形を徹底しました。手間も時間もかかるので最初は大変なんですが、結果的に顧客層が安定して、社員の給料も歩合にせず固定にできるんです。固定にすると、お客様とじっくり向き合うスタンスが社員に根付くので、そこをベースに取り組むというのは当社の強みだと思います。
谷口さん
私も基本的には紹介でやらせてもらっています。

西島社長の魅力と、社内へもたらす影響力
西島社長
お二人から見た私自身はどんな印象ですか?
谷口さん
どんなに忙しくても、細かいところまでしっかり検討するイメージですね。あとは、会社の「組織作り」をすごく意識されている感じがあります。そこは前職(リクルート)の経験が活きているのかなぁと思います。
西島社長
実は私、リクルートには3年半しか勤めていなくて、正直組織作りに自信があるわけではないんです。だから、その部分を三井さんにサポートして頂いていて(笑)。今後、よりしっかりとした組織にしてお客様へのサービスを展開していきたいと思っています。
三井さんは私のパーソナリティに関していかがですか?
三井さん
一言で言ったら、本当に頭のいい方という印象です。今まで2000社以上の社長とお会いして感じているのですが、頭が良いというのは「変われる力がある」ということなんですよね。自分のやり方を変えられない社長も多いですが、西島社長は守るべきものは守りながら、変えていくことへの柔軟さがすごいなと思って。働き方や多様性にも積極的に対応されているイメージです。
西島社長
変われている実感は全然ないんですけど、25年を迎えて、ここで変わらないと将来がないなっていう危機感はあるんです。そんな中、当社には三井さんや谷口さんをはじめとした、第三者的な視点で関わってくれる外部の方が何人もいて、その方たちに刺激を貰えるのはすごくありがたいですね。
三井さん
あとは、社長が一番仕事をしていることですよね。西島社長はスケジュールを全部公開しているし、何かトラブルがあったら率先して対応されている話も聞いています。やっぱり、最後の砦が社長というのは、市萬の真面目な社風につながっているとは思います。
谷口さん
あとは、お客様本位で自社利益を最優先しない社長の姿勢も、社員の方に響いていると思いますね。

不動産業界の未来と、市萬が担うべき役割とは
西島社長
それでは最後に、これからの不動産業界に求められる改革について、外部専門家の立場としてご意見を聞かせていただけますか?
三井さん
まずは社長も先ほどおっしゃっていたように、固定給を上げていくと業界が健全になっていくのかなぁと思います。それから、その取り組みを実践している市萬さんが、もっと知名度を上げていくことも重要だなぁと。
西島社長
絶対にそうですね。もしかしたら、そこは一番の課題かもしれません。
谷口さん
僕はですね、不動産業界は土地という重要な資源配分を担うものだと認識していて、特に日本は国土が狭い上に使えるところが限られているので、そこをどう活用するかを担う重要な産業だと思っているんです。なんだけど、最近SDGsを掲げてお金儲けのために新たな需要を作ろうとしている会社も結構あって、市萬には不動産の価値を上げていくことや地域活性というところを着実にやって頂いて、本当の意味でSDGsに賛同していくことを目指して欲しいですね。
西島社長
仕事の主要部がSDGsにつながることが理想ですよね。ちなみに、私個人に期待したいことはありますか?
三井さん
さっきも少しお話しましたけど、やっぱり規模を拡大して頂きたいです。市萬さんの良い取り組みを業界内に浸透させていくには、それなりの影響力が必要だと思っていて。
SDGsの話もありましたけど、市萬さんはかなり前から建物の長期活用に取り組んでいて、資源も限られて物価も高騰する中でやっと時代がついてきたと思うんです。だからこそ、そのノウハウも含めて影響力をどんどん広げて頂けたらと思います。
谷口さん
例えば、一部の外資系コンサル会社って自社からの独立をすごく認めていて、なぜならその人が活躍したら「○○出身だ」ということで、宣伝効果が見込めるからなんです。市萬もそういった形で影響力を広げていく手もあるのかなとは思います。
西島社長
なるほど。その視点もとても大事ですね。引き続きお二人にもお力を貸して頂いて、より良い会社を築いていきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
インタビューを終えて
立場の違うお三方の対談ということで、とても興味深く現場に立ちあわせて頂きました。市萬は常に外部からの風を積極的に取り入れている印象が強く、それはつまり、西島社長が変化することにポジティブな証拠だと感じていました。その寛容さが、会社を25周年へと導いたのではないでしょうか。ちなみに、僭越ながら私の個人的な社長のイメージをお伝えすると、とにかく好奇心旺盛、そして思い立ったら即行動の方という印象です。大人になると忘れかけてしまうワクワクする感覚を、西島社長を見て思い出すことが多々あります。ぜひ、今後もチャレンジすることに前向きなその姿勢をさらに加速させて、会社を次の25年へと導いていただきたいです。